武蔵小杉皮ふ科

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手湿疹・主婦湿疹

手湿疹・主婦湿疹

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手湿疹・主婦湿疹とは

手湿疹

手湿疹・主婦湿疹は、手の皮膚がただれたり、カサカサになったり、皮膚が固くなったりする病気です。手以外の部位にできないことから、手湿疹と呼ばれています。

人の皮膚には皮脂膜という、薄い油分を含んだ保護膜があります。皮脂と呼ばれる油分を含んだ分泌物と水分を含んだ汗が混ざり合って、皮脂膜は作られます。この皮脂膜のおかげで、外からの刺激を緩和したり、肌の水分蒸発を防いだりできています。

しかし、今までバリアーの役目を果たしていた皮脂膜が何らかの事情で過度に減少した結果、肌が炎症を起こしてしまう状況があります。これが手湿疹・主婦湿疹の状態です。

通常、人の皮膚には毛穴(皮脂を出す)と汗腺(汗を出す)があります。しかし、もともと手には毛穴は多いのですが、汗腺があまりありません。このため、一度乾燥したりダメージを受けたりして皮膚を保護する機能が低下すると、皮脂の量が上手く回復せず、手荒れになってしまうのです。

手湿疹・主婦湿疹は「乾燥型」と「湿潤型」に分類されます。「乾燥型」は、皮膚がカサカサになりひび割れが生じるタイプで、利き手のよく使う指から手のひら全体へ広がっていくイメージです(個人差あり)。中には、指紋が消える・皮膚が硬くなるといった症状もみられます。

一方、「湿潤型」の特徴は小さな水ぶくれ・発疹ができることです。手の甲にも症状が広がることがあります。

手湿疹・主婦湿疹の原因

手湿疹原因

先にも挙げたように主な原因は、日常生活で接触する様々な物質の刺激です。洗剤・石鹸などの化学製品から始まり、水やお湯、紙などのありふれた物質が原因となるこも多々あります。もともと乾燥肌の方や、アトピー系の疾患をお持ちの方はなりやすいです。

また職業や日常の家事で、洗剤や紙などを使うことが多い人は通常よりも主婦湿疹になりやすいと言わざるをえません。

季節としては、空気が乾燥する秋~冬に悪化するケースがみられ、食器洗いなども悪化に関係します。
また化学製品だけでなく、植物・金属などと接触することによってアレルギー反応が起こり、皮膚炎ができる場合もあります。

手湿疹・主婦湿疹の主な治療法

手湿疹治療法

治療法は、「乾燥型」か「湿潤型」かによって異なります。
「乾燥型」の場合は、保湿剤による治療がベースとなります。
「湿潤型」の場合は、ステロイドが良いでしょう。以下に、それぞれの治療法を作成しましたのでご覧ください。

湿疹のタイプと薬について

タイプ 治療薬 説明
乾燥型 保湿剤(ワセリン) 刺激物が少なく、水分蒸発を食い止める。
保湿剤(尿素・ヘパリン類似物質) 保湿力に優れるが、傷があるとしみる。
湿潤型 ステロイド(塗り薬) 基本の治療法
乾燥・湿潤混在型 ステロイド+保湿剤 保湿剤を塗り、炎症部分にのみステロイド使用。

※あくまでも一例です。判断が難しい時や不安な時は、ぜひ専門家(皮膚科医)に相談しましょう。保湿成分入りの化粧品や入浴剤を併用しても効果的です。

ステロイドは、用法・用量を正しく守れば安全に病気を治してくれる薬です。医師の処方に従って使用しましょう。

生活改善について

手湿疹・主婦湿疹は生活改善も並行して行うことをおすすめします。

  1. 水仕事は手袋(木綿がおすすめ)をしてから、ゴム手袋をする。木綿の手袋をする理由は、ゴム手袋からの刺激を軽減するため。これは水仕事の時だけでなく、布団を干したり掃除機をかけたりするときにも有効。
  2. 使うお湯の温度をぬるめにする。おおよそ体温より少し低め。
  3. 食器は洗う前に汚れを拭く。また、洗う食器を減らすことも重要。
  4. 油汚れのある食器は、お湯に少量の洗剤を入れ、30分ほどつける。油汚れがひどくなる料理は避ける
  5. 調理された製品などを利用する。
  6. 化学製品(シャンプー・石けんなど)も低刺激性のものを選択。
  7. なるべく頻繁にハンドクリームを塗る。寒い日や乾燥している日は、手袋をして外出する。夜寝るときは、保湿剤を塗ることを忘れずに。

木綿の手袋は、通気性がよく、皮膚を優しく保護してくれるため、活躍の場が多いです。寝ている間、無意識に掻きむしることを防ぐ効果もあります。こうした細かな生活改善を積み重ね、完治まで根気よく付き合いましょう。

手湿疹・主婦湿疹に関するQ&A

Q.手湿疹がなかなか治りません。どうしたらいいですか?
A.乾燥を避け、保湿を十分に行い、適切な薬を使用してください。
症状がひどい場合は、副腎皮質ホルモン剤というものが処方されます。しかし、とても重症の場合以外ですと、皮が薄くなり、少しの刺激で皮膚が破れて逆に治りません。保湿が重要ですので、例えばワセリンを塗った木綿の手袋などを試してみるのもよいです。最も良いのは、しばらく原因となっている水仕事や紙などの刺激から避けることです。
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