AGA治療とは?
AGAとは、Androgenetic Alopeciaの略称で、日本語では男性型脱毛症とも呼ばれています。AGAは進行性の薄毛のことです。 年齢を重ねるごとにAGAの発症率は上昇し、日本人の3人に1人がAGAと言われています。多くの方が発症する可能性がある身近な脱毛症ですが、放置しておくと薄毛が進行してしまいます。お早めに、当院(神奈川県川崎市の「武蔵小杉駅」から徒歩2分の「こすぎ皮ふ科」)までご相談ください。
AGA治療の原因
AGAの原因は、男性ホルモンや遺伝などの様々な要因があります。 薄毛の原因として、特にジヒドロテストステロン(DHT)がヘアサイクルと呼ばれる毛周期に与える影響が大きいと考えられています。AGAを発症すると、髪の毛が育つ「成長期」が著しく短くなり、髪が成長しきる前に脱毛してしまいます。
ジヒドロテストステロン(DHT)
ジヒドロテストステロン(DHT)は男性ホルモンの「テストステロン」が頭皮の酵素である「5αリダクターゼII型」と結合することで生成されます。ジヒドロテストステロン(DHT)は、髪を生成する栄養を送り込む役割の毛乳頭細胞であるアンドロゲン受容体と結びつくことで、薄毛を引き起こすサインが発せられます。その結果、髪の成長が妨げられるので、髪が十分に太く長く育たなくなってしまうのです。
もうひとつ考えられる原因としては、加齢や生活習慣の乱れによって、髪を生やしたり育てたりする力が衰えてしまうことです。加齢は新陳代謝の低下を招くので、髪が生える速度が遅くなってしまいます。さらに生活習慣の乱れは、栄養不足や血流の低下などを引き起こし、薄毛を誘発させると考えられています。日頃の運動不足や睡眠不足、肉中心の食事などが髪の成長に悪影響をもたらし、薄毛リスクが上がります。
1.AGA治療薬の種類について
AGAの主な治療法は薬物療法です。
当院((神奈川県川崎市の「武蔵小杉駅」から徒歩2分の「こすぎ皮ふ科」)でAGAに対して治療を行う際には、「プロペシア」・「ザガーロ」などの飲み薬と併用して、頭皮に直接塗る「ミノキシジル」外用薬を処方しています。
基本的には、AGAの根本原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の合成を抑える効果を持っている「プロペシア」や「ザガーロ」と、頭皮の血行改善と発毛を促進するための「ミノキシジル」といった効果の異なるAGA治療薬を併用します。
そうすることで、「プロペシア」や「ザガーロ」による脱毛や薄毛の抑制効果と、「ミノキシジル」による発毛効果を得ることが可能となります。
<プロペシアについて>
プロペシアはフィナステリドを主成分としたAGA治療の飲み薬です。
フィナステリドはAGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の合成を抑えます。その結果、AGAの進行を遅らせる効果があります。
●プロペシアの正しい服用
プロペシアや、プロペシアジェネリック(フィナステリド)は、1日1錠を服用します。服用のタイミング(食前や食後など)のルールはありませんが、最も近い服用時から24時間の間隔をあけてください。大切なことは、服用の時間を決め、間隔を一定にあけることなので、患者さんおひとりおひとりが習慣化しやすいタイミングで服用をしてください。
また、薬を増量すれば効果が増すわけではありませんので、飲み忘れたからといってまとめて飲んだり、効果を早く得たいからといって自己判断で増量することは控えてください。
<ザガーロについて>
ザガーロはデュタステリドを主成分としたAGA治療の飲み薬です。
2015 年に厚生労働省からAGA治療薬として承認を得て販売開始されました。ザガーロは、ジヒドロテストステロン(DHT)を生み出すきっかけとなる、5αリダクターゼを阻害します。5αリダクターゼの働きを阻害することで男性ホルモンのテストステロンと結びつきづらくなり、脱毛因子を減少させる効果が期待できます。
ザガーロは、生え際や頭頂部の男性型脱毛症に作用するだけでなく、薄毛の原因分子を増やさない効果もあります。
●ザガーロの正しい服用
ザガーロ(0.5mg錠)は1日1錠を服用です。服用のタイミング(食前や食後など)のルールはありませんが、最も近い服用時から24時間の間隔をあけてください。
仮に、服用するのを忘れてしまった場合であっても、次の日に2日分を飲みことも推奨できません。服用を忘れた場合は、気づいた際に1日分(1錠)の容量を服用しましょう。
AGA治療に期待される効果を最大限に感じていただくためには、正しい用法用量を守り服用しましょう。
<ミノキシジル(外用薬)について>
ミノキシジルは、ミノキシジルを主成分としたAGA治療の外用薬です。
ヘアサイクル(毛周期)を正常化するといった作用があります。ヘアサイクル(毛周期)とは、成長期→退行期→休止期と純に進み、また繰り返されています。一般的には、髪の毛の「成長期」は2年から6年ですが、AGAの進行の影響で「成長期」の過程が短くなり脱毛が生じてしまいます。ミノキシジルは、こういったヘアサイクル(毛周期)の乱れを整えることで発毛効果が期待できます。
●ミノキシジル(外用薬)の使い方
外用薬のミノキシジルは、1日2回(朝と夜)に使用します。1回あたり1mlを頭皮全体に塗り込むことが目安です。ポイントは薄毛の気になる部分だけではなく、頭皮全体に塗ることです。1mlでは少ないように感じるかもしれませんが、規定量よりも多く使用したり、規定回数を多くしてしまったりすることで、思わぬ副作用が生じる場合もあります。必ず指定の使用方法を守りましょう。
また、ミノキシジル外用薬を使用する場合は、洗髪後にマッサージをしてから使用することで、より高い効果が期待されています。洗髪後は、しっかりと髪の毛を乾かしてからミノキシジル外用薬を塗布するようにしてください。
2.AGA治療薬の副作用と注意点
AGA治療薬には副作用があります。
それぞれの薬によって副作用が異なりますので、副作用が現れた場合は、服用を続けるか、中止するか、の判断は、自己判断ではなくクリニックを受診して医師に相談してください。
それぞれの薬の副作用と注意点は以下の通りです。
⚫︎ プロペシアの副作用と注意点について
プロペシアは、1%未満において勃起機能不全、1%から5%未満において性欲減退といった副作用があります。また、肝機能障害があらわれ、全身の倦怠感などの症状を感じる可能性があります。そのような場合には、服用をやめ、すぐに医師の診断を受けてください。
プロペシアを服用後、効果があらわれるまで数カ月ほどの期間が必要です。
以下の点に注意し、継続的な服用を心掛けましょう。
・飲みすぎた後の服用は副作用が顕著に表れる場合があります。
・女性は服用しないでください。
(プロペシアは女性への効果は認められていません。妊娠中、あるいは妊娠の可能性がある方や授乳中の方は絶対に服用しないでください。)
・プロペシアは割らずにそのまま服用してください。
(プロペシアは割って服用しないでください。万が一、粉砕されたプロペシアに妊娠中の方が触れてしまい有効成分が体内に吸収されてしまうと、男児胎児の生殖器官などの正常な発育に影響を与える恐れがあります。)
・肺機能に障害がある方は医師に相談してください。
(プロペシアは肝臓で代謝される内服薬です。服用中に肝機能異常がみられる副作用の報告があるので、肝機能に障害がある方は必ず医師までご相談ください。)
・処方されたプロペシアを他人にあげることは厳禁です。
(プロペシアの服用は医師の診断が必ず必要です。処方されたプロペシアを他人にあげることは絶対にしないでください。)
・20歳未満での服用はおやめください。
(プロペシアを20歳未満で服用することは安全性、有効性において確率されていませんのでおやめください。)
⚫︎ ザガーロの副作用と注意点について
ザガーロは1%以上報告されている副作用として射精障害、性欲減退、勃起不全などの性機能不全があります。そのほか、発生頻度は1%未満ですが、発疹、頭痛、抑うつ、乳房の女性かなどの症状や、肺機能障害、アレルギー反応などの副作用も一部報告されています。
ザガーロの服用によって副作用が発生するのは全体の約10%です。過度な心配は不要ですが、万が一副作用が出た場合は服用を中止し、必ず医師に相談しましょう。特に肺機能障害の副作用として考えられる「黄疸(皮膚が黄色くなる)」が現れたら、すぐに病院を受診してください。
ザガーロを服用する際は、以下のことに注意してください。
・子供や女性は服用しないでください。
(ザガーロは女性の服用は禁止です。服用中の男性の精液を通じて、女性に有効成分が移行してしまう危険性があるので、性行為の際はコンドームを使用してください。)
・妊婦、産婦、授乳婦の方への投与および皮膚接触が禁止されています。
(万が一、粉砕されたザガーロに妊娠中の方が触れてしまい有効成分が体内に吸収されてしまうと、男児胎児の生殖器官などの正常な発育に影響を与える恐れがあります。)
・20歳未満での服用はおやめください。
(ザガーロを20歳未満で服用することは安全性、有効性において確率されていませんのでおやめください。)
・前立腺がんの検査を受ける場合は医師に伝えてください。
(ザガーロは、前立腺がんの腫瘍マーカーの「PSA」を半減させる効果があります。PSA検査を受ける際は、事前にザガーロを服用していることを医師に必ず伝えてください。そうでないと、前立腺がんを見逃してしまう危険性があります。)
・ザガーロの服用後、初期脱毛の症状があらわれる場合があります。
(服用後、約1カ月から3カ月の期間で抜け毛が多くなる症状があらわれる場合があります。こういった初期脱毛の症状は健康的な毛周期が整っている証拠で、あくまで一時的な症状です。毛周期が成長期に入れば、ハリがある髪の毛が生えるようになります。)
⚫︎ ミノキシジル(外用薬)の副作用と注意点について
ミノキシジル(外用薬)において、重篤な副作用の報告はほとんどありません。
肌質に合わない方の外用によって、頭皮の痒み、かぶれなどの炎症を起こす場合があります。過剰な塗布による皮膚トラブルも考えられるので、用法用量を守って使用してください。初めて使用する場合は、頭皮に塗布する前に、手の甲に少量を塗布して刺激がないことを確認してください。もし頭皮の赤みや痒みがひどくなった場合は、使用を中止し、医師に相談してください。
ミノキシジル(外用薬)の注意点は以下の通りです。
・ミノキシジル外用薬の塗布後、初期脱毛の症状があらわれる場合があります。
(治療開始後、約10日から1カ月の期間で抜け毛が多くなる症状があらわれる場合があります。この初期脱毛の期間は1ヶ月から3カ月続くと言われていますが、初期脱毛の症状は薬の効果があらわれている証拠でもあります。毛周期が整い「成長期」に入ると、ハリとコシのある髪の毛が生えるようになります。)
・大量の飲酒後の塗布は控えてください。
(ミノキシジルには血管を拡張し、血圧を下げる作用があるので、必要以上のアルコール摂取とミノキシジル外用薬の同時摂取で、血圧が下がりすぎる危険性があります。)
・頭皮に傷がある方や肌が弱い方は使用できません。
(肌が弱い方や頭皮に傷がある方は、頭皮が炎症を起こす可能性があります。頭皮の炎症は薄毛を悪化させてしまう恐れがあります。)
・未成年や妊娠、授乳中の方は使用できません。
(妊娠や授乳中の方は、母乳にミノキシジル成分が含まれる可能性があり、安全性が立証できないので利用できません。)
3.AGA治療薬の選び方
【選び方1】改善したいお悩みに合わせて選ぶ
AGA治療薬は、改善したいお悩みに合わせて選びます。
AGAを引き起こすジヒドロテストステロンにアプローチできる「プロペシア」や「ザガーロ」の飲み薬と、頭皮に直接塗る「ミノキシジル外用薬」を併用することが理想ですが、症状の進行状況によって処方は異なります。
【選び方2】体質や持病に配慮して選ぶ
AGA治療薬は、患者さんおひとりおひとりの体質や持病に配慮して選ぶ必要があります。
医師の処方前に、現在服用している薬や、過去に起きた副作用などは伝えるようにしてください。
【選び方3】AGA治療薬の価格で選ぶ
AGA治療薬は、1回飲めば治せるというわけではありません。
あくまでもAGAの進行を抑制し、発毛を促すことなので、断続的に服用や外用を続ける必要があります。薬の価格が問題となるので、価格が高いといった理由で、長く続けることが難しくなってしまい、途中でやめてしまうリスクが高くなります。
AGA治療薬は保険適応外のお薬なので、クリニックによって価格が異なります。受診した際は、薬の価格を確認したうえで治療を受けるかどうかを判断してください。
4.AGA治療薬の料金
AGA治療薬は院内(自費)にて販売しております。
AGA治療薬をご購入の際、初診時のみ初診料1,100円(税込)がかかります。
(同時に保険診療を行った場合は、保険診療の初再診料が別途かかります。)
お肌の悩みやご希望に合わせて、最適な治療をご提案させていただきますので、まずはお気軽に当院(神奈川川崎市の「武蔵小杉駅」から徒歩2分の「こすぎ皮ふ科」)までご相談ください。